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学習教材・啓発資料 | 応用地質株式会社

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Academic year: 2018

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〒 101-8486 東京都千代田区神田美土代町 7 番地 TEL 03-5577-4501 FAX 03-5577-4567

安全と安心の創造

www.oyo.co.jp

OYO ってどんな会社?

(企業紹介動画)

(3)

 私たち OYO グループは、これまで様々な災害に直面し、被害の拡

大防止や復旧・復興へのお手伝いをしてきました。その度に、このよう

な被害を少しでも防げないものだろうか、もう少し減らすことができな

いだろうか、と自問自答を繰り返してきました。

 一言で災害といっても、ぜい弱な地質の日本列島では洪水や台風と

いった気象現象によるものや、地震や火山噴火など地球の活動による

ものなど様々です。また、日本では密集市街地での延焼火災といった

人為的な原因による災害もあります。

 この小冊子は、「2017 年版 防災・減災のススメ」というタイトルで、

今後も必ず起こる様々な災害のメカニズムや災害に対して注意すべきポ

イントを分かりやすく記述しました。

 各ページの下欄には防災・減災をススメていくために必要となる技術

やヒントを紹介しています。

 いろいろな被害想定、防災情報が世の中に発信されていますが、「情

報を正しく理解し、ひとりひとりが判断することが大切」であり、この

小冊子が防災・減災をススメていくための啓発資料として、一助になれ

ば幸いです。

※本資料は、2017 年 7 月時点での情報をもとに作成しています。

はじめに

(4)

目 次

(5)

 普段から災害が起きやすい場所を調べておきましょう。  そうすれば、安全な場所を前もって知ることができ、いざ という時に役立ちます。「備えあれば憂いなし」です。  国土交通省は、ハザードマップのポータルサイトを開設し て、日本全国のハザードマップ(洪水、内水、高潮、津波、 土砂災害、火山)をまとめています。

 皆さんがお住まいの街のハザードマップも一目でわかる便利なサイトです。  標高地図、土地条件図、地震防災・危険度マップも見ることができますので、 土地の高さや地形の様子から受けやすい災害を知ることができます。ハザード マップが公表されていない街の方々も、防災情報として利用することができます。

 ハザードマップの作成では、地盤についての情報や 地形分類を正確に分析することが重要なポイントにな ります。

1

自然災害が起きやすい場所を知る

出典:国土交通省ハザードマップポータルサイト

(6)

 がけ崩れ・土石流・地すべりは斜面、洪水や津波は低地な ど、地域の特性により特定の災害が起こりやすい場所があ ります。宅地の造成などにより、元の地形が分かりにくくなっ ている場合も、地名が手がかりとなり、その土地の特性を 知ることができます。

 下の表に示すのは災害に関連する地名の一部です。災害が起こりやすい地 形の名称が残っているところだけでなく、新しい地名がついた造成地について も、田や谷を埋めて作られた場合には盛土の崩壊や地震による液状化が生じ ることもあり、注意が必要です。

2

※技術ノート(No.39)、社団法人東京都地質調査業協会、2006 等を参考にして作成

 災害地名については、上記の他にもさまざまなものがあります。外出先で災 害に遭う場合もあるので、住んでいるところだけでなく、自分や家族が通う会 社や学校のある場所についても、地名の由来を調べてみてはいかがでしょうか。

自然災害のヒントは「地名」にあり

地域特性 意味・読み 関連漢字 起こりうる災害

低地湿地 低湿地

池、谷、草、沢、澪、戸、洞、州、鶴、井、泉、 行、滑、沼、代、瀬、島、堰、下、連、窪、久保、 新田 など

液状化 洪水 津波 湧水・井戸 川、清水、泉、井、江 など

谷 谷関連 谷津、谷地、谷戸、峡、入、江、沢 など がけ崩れ土石流

地すべり

窪地 洞、窪、久保 など

谷の上側 山、岳、嶺、峰、曽根、岡 など

がけ がけ、斜面 坂、垂、欠、岸、傾、崩、刈、峡 などがけ関連 日向、日陰、裏、腰 など がけ崩れ地すべり

崩壊地形

クラ 倉、蔵、鞍、暗(がけ、深い谷、絶壁)など がけ崩れ

アズ、アツ 小豆、厚、熱、安土(土砂流出のある場所)など

スキ、ツキ 杉、助、管、月、附(土が空く)など 地すべり

サル 去、猿、佐礼(ザレ(礫))など

(7)

 

日本は地震が多くて当り前

出典:国立研究開発法人 防災科学技術研究所ホームページ

海溝型地震 活断層で発生する地震

日本をとりまく プレート

南海トラフ相模トラフ 千島海溝

断層

ひずみの蓄積

津波の発生 陸のプレート 陸のプレート

陸のプレート

海のプレート 海のプレート

海のプレート 引きずり込み

はね上がり

伊豆・小笠原 海溝

(北米プレート)

ユーラシア プレート

フィリピン海 プレート

太平洋 プレート

3

 日本列島は 4 枚のプレートがぶつかり合っているという、 世界でも稀な位置にあります。

 プレートとは、地球の表面を覆っている十数枚の巨大な板 状の岩盤で、それぞれが違う方向に年間数センチメートルの 速度で動いています。プレートの動く方向などの違いによっ て岩盤中に大きなひずみが蓄えられ、そのひずみを解消しようとして地震が発 生します。

 日本の下では、陸のプレートが海のプレートに引きずり込まれ、その力に耐 えきれず跳ね上がろうとする時に海溝型地震が発生します。また、内陸の活断 層で発生する地震も、陸のプレート内に蓄えられたひずみが原因で起こります。

 1964 年の新潟地震をきっかけに、OYO では自主的に災 害調査団を派遣して災害の実態を知ることに取り組んできま した。

 調査結果は「災害レポート」としてまとめ、現在までに 60 レポートを作成し、一部を OYO ホームページで公開してい

(8)

 

震度は地震の揺れ、

マグニチュードは地震の大きさ

震度7

震度0 人は揺れを感じないが、地震計には記録される

震度1 屋内で静かにしている人の中には揺れをわずかに感じる人がいる

震度2 眠っていても目を覚ます人がいて、電灯などがわずかに揺れる

震度3 歩行中も揺れを感じる人がいて、電線が少し揺れる

震度4 歩行中のほとんどの人が揺れを感じ、電線が大きく揺れる

震度5弱 大半の人が恐怖を覚え、棚の食器類や本が落ちることがある

震度5強 歩行が困難で、壁や地面に亀裂などが生じることがある

震度6弱 立つことが困難で、タイルや窓ガラスが破損・落下することがある

震度6強 立つことが出来ず、広い地域でガス、水道、電気の供給が停止することがある 大きな地割れや斜面崩壊が発生し、耐震性の低い建物の多くは倒壊する

※「気象庁震度階級関連解説表」をもとに作成

4

 震度は、ある大きさの地震が起きた時の私たちが生活し ている場所での揺れの強さを表します。一方、マグニチュー ドは、地震そのものの大きさ(規模)を表します。

 基本的には、マグニチュードの小さい地震でも震源から近 いと地面は大きく揺れ、震度は大きくなります。反対に、マ グニチュードの大きい地震でも震源から遠いと地面はあまり揺れず、震度は小 さくなります。

小さな揺れ(震度小)

震度の階級 震源から遠い 震源から

近い 大きな揺れ(震度大)

小さい地震

(マグニチュード小) (マグニチュード大)大きい地震

地震の大きさ マグニチュード

1 ∼ 3

7 以上 1 以下

5 ∼ 7 3 ∼ 5

8 クラス 微小地震

大地震 極微小地震

中地震 小地震

巨大地震

地震の大きさと マグニチュードの関係

(9)

 

今後 30 年間にその値以上の揺れに 見舞われる確率が 3%の震度分布

(今後 30 年間にその値(震度)以上の揺 れに見舞われる確率が 3% の震度とは、 大まかには約 1000 年に 1 回見舞われる 揺れの強さに相当します。)

確率論的地震動予測地図

出典:「全国地震動予測地図 2017 年版」 (地震調査研究推進本部) 3 以下 4 5 弱 5 強

震度 6 弱 6 強 7

5

これからも地震は起きる

 国の地震調査研究推進本部が作成した「確率論的地震動 予測地図」があります。地震調査研究推進本部は、最新の 地震調査研究の成果を取り入れながら、どのくらいの大きさ の地震がいつごろ発生するのかを「長期評価」しています。  そして、これらの地震が発生したときに各地で生じる揺れ の強さを予測する「強震動評価」を実施して、その結果を公表しています。  さらに、「長期評価」と「強震動評価」の成果をあわせて、将来の地震によ る強い揺れに見舞われる確率やその揺れの強さを地図にまとめ、「全国地震動 予測地図」として公表しています。

 ただし、2016 年鳥取県中部の 地 震( 最 大 震 度 6 弱) や 2016 年熊本地震(最大震度 7)など、 予測を超える地震が起こる可能 性もゼロではありません。

(10)

 

主要活断層帯

※地震調査研究推進本部ホームページ「主要活断層の評価結果」を元に作成

6

将来、動くと考えられる断層が

「活断層」

 断層とは、地下の岩盤中に大きな力が加わって割れて、ず れが生じた状態を指します。特に数十万年前以降に繰り返し 活動し、将来も活動をすると考えられる断層のことを「活断 層」と呼んでいます。断層のずれによる衝撃が地表まで伝わ ることにより、地震が発生します。

 現在日本には二千以上の活断層が確認されていますが、地震調査研究推進 本部ではこれのうちの 113 断層帯を「主要活断層帯」としています。

 2016 年熊本地震は、主要活断層帯である「布ふ た が わ田川断層帯・日ひ な ぐ奈久断層帯」

の活動によると考えられています。この地震は、前震と本震のいずれにおいて も最大震度 7 を観測し、建物倒壊をはじめとする大きな被害をもたらしました。

櫛形山脈断層帯

阿寺断層帯 琵琶湖西岸断層帯

中央構造線断層帯 安芸灘断層帯

穴道(鹿島)断層帯

日奈久断層帯 福智山断層帯菊川断層帯

弥栄断層

山形盆地断層帯 サロベツ断層帯

庄内平野東縁断層帯

新庄盆地断層帯 黒松内低地断層帯

砺波平野断層帯・呉羽山断層帯

十日町断層帯 森本・富樫断層帯

高山・大原断層帯 糸魚川−静岡構造線断層帯 三浦半島断層群 塩沢断層帯

高田平野断層帯

警固断層帯 雲仙断層群

別府−万年山断層帯

境峠・神谷断層帯 木曽山脈西縁断層帯 奈良盆地東縁断層帯

上町断層帯

富士川河口断層帯

周防灘断層帯 六甲・淡路島断層帯

布田川断層帯

凡例

Sランク(高い):30 年以内の地震発生確率が 3%以上 Aランク(やや高い):30 年以内の地震発生確率が 0.1〜 3% Z ランク:30 年以内の地震発生確率が 0.1%未満 X ランク:地震発生確率が不明

(11)

 

全壊住家数は 10 万5千戸、全焼住家数 6 千戸 (消防庁調べ 2000 年 1 月 11 日現在) 1981 年以前

(旧耐震基準) (新耐震基準)1982 年以降

阪神・淡路大震災における建築年別の被害状況

紙ぶるる

7

耐震基準に活かされている

地震の教訓

 建物が安全かどうかは、建築された年代がヒントになり ます。

 1978 年宮城県沖地震の被害を踏まえて 1981 年に新し い耐震基準が導入されました。1995 年阪神・淡路大震災 では、特に古い耐震基準の建物に被害が多く見られました。  その後、1995 年阪神・淡路大震災や 2004 年新潟中越 地震などを経た改正が行われ、耐震基準は強化されてきました。

 新耐震基準の建物でもすでに 30 年経過したものもあり、日頃からきちんと 建物の保全をすることが大切です。

 国や都道府県では、建物の耐震化を進めるため、耐震改修促進計画を策定 し、耐震診断や耐震改修にかかる住民の負担を軽くするための様々な支援制 度を設けています。詳しくはお住まいの地方公共団体の住宅・建築担当窓口へ お問い合わせください。

 建物の耐震化をススメるためには、何より もまず多くの方々が、耐震化の必要性を知る ことが大切です。

 簡単に組立・実験が出来る耐震化の教材と して 「紙ぶるる」 をご用意しています。

軽微・ 無被害

軽微・ 無被害 中・小破

中・小破 大破以上

大破 以上

(12)

 

三つの大震災における犠牲者の方々の死因について ※「東日本大震災記録集」(消防庁)をもとに作成

8

怖いのは「揺れ」だけではない

 東日本大震災、阪神・淡路大震災、関東大震災では、地 震発生の様子と被害発生の様子に、それぞれ違いがありま す。犠牲者の方々の死因は、東日本大震災では大津波によ る溺死が、阪神・淡路大震災では家屋倒壊による圧死が、 関東大震災では火災による焼死が、最も多かったことが分 かります。今後の大地震に対して、どのように備えていけば良いか、考えるた めの参考にしましょう。

地震 東日本大震災 阪神・淡路大震災 関東大震災

地震 の 概要

発生日時 2011 年 3 月 11 日(金曜日) 14 時 46 分

1995 年 1 月 17 日 (連休明け)

5 時 46 分

1923 年 9 月 1 日 (土曜日) 11 時 58 分

マグニチュード 9.0 7.3 7.9

地震の種類 海溝型地震 内陸型地震 海溝型地震

震源と深さ 三陸沖 24km 淡路市 16km 相模湾北西部

津波/

液状化の被害 あり/あり なし/あり あり/あり

人の

被害 死者・行方不明者 20,960 人 6,437人 105,385 人

建物

被害 全壊半壊 265,096 棟129,391 棟 104,906 棟144,274 棟 (一部損壊を含む)372,659 棟

東日本

大震災 阪神・淡路大震災 大震災関東

不詳

4% 不詳4% 流失埋没

1% 工場等の被害 1% 家屋全壊 11% 焼死

1%

焼死 13%

火災 87% 圧死・損壊死・その他

83% 圧死・損傷死・

その他 4%

(13)

 

9

今後 30 年間に 70%の確率で

発生する首都直下地震

 2013 年に公表された中央防災会議による最新の想定で は、都心南部直下で地震が発生した場合、大正関東地震(関 東大震災)の8分の1程度の規模であるマグニチュード7ク ラスであっても、首都圏の広い範囲で震度 6 弱を超える大 きな揺れに見舞われます。

 建物の倒壊、火災、ライフラインの甚大な被害のみならず、首都中枢機能へ の影響や、巨大過密都市特有の帰宅困難者の発生や被害が想定されます。  このクラスの地震は、今後 30 年間に 70% の確率で発生すると想定されて おり、早急な対策が求められています。

 首都直下地震の例として、1855 年安政江戸地 震があります。江戸の下町を中心に建物が倒壊し、 火災が発生して多くの犠牲者が出ました。

 災害時には、建物の倒壊によるが れきの上から「レスキュー・スキャン」 により被災者を発見することができ ます。

被害の概要 (冬・夕 風速 8m/s のケース)

死者数 約 2.3 万人 建物全壊・焼失棟数

約 61 万棟

負傷者数 約 12.3 万人 被害額 約 95.3 兆円

火災焼失

急傾斜地崩壊

液状化

揺れ

ブロック塀倒壊

火災

急傾斜地崩壊

建物崩壊

火災焼失 67%

火災 70% 揺れ

29%

急傾斜地 崩壊 0.2%

液状化 4%

ブロック塀倒壊等 2%

急傾斜地 崩壊 0.3% 建物 倒壊 28%

構成比 構成比

震度 7 震度 6 強 震度 6 弱 震度 5 強 震度 5 弱 震度 4 以下 凡 例

震度分布

都心南部直下地震(マグニチュード 7.3)の被害想定 出典:内閣府防災情報のページ 首都直下地震対策

(14)

 

10

静岡 10.9 万人

和歌山 8 万人

10 万人∼

∼1000 人 1 万人∼10 万人 1000 人∼1 万人

南海トラフ

  縄

鹿

  崎

  分

  本

  崎

  岡

  知

  媛

  川

  島

  口

  島

  山

  庫

  阪

  重

  知

  岡

川 島

し ょ

  葉

東京 40 30 20 10 0 40 30 20 10 0 (m) (m)

  城

火災焼失 11%

◆建物全壊棟数・火災焼失棟数

 約 182 万棟

◆死者数

 約 32 万人

津波 8% 液状化 7%

揺れ 74%

火災 3% 建築倒壊 25%

津波 71%

都府県別の想定津波高

(各都府県内で津波高が最大になる市町村の数値) 南海トラフ地震の想定死者数

(冬の深夜発生、風速秒速 8m の場合の最大値) 被害の概要

(冬の深夜発生、風速秒速 8m の場合の 最大値)

※内閣府発表資料 2012 年 8 月 29 日のデータを使用して作成

10m 超の津波が 13 都県を襲う

南海トラフ巨大地震

 南海トラフは、東海から西日本の太平洋岸沖合にある深く 大きな溝のことです。ここで巨大地震が起こると、関東から 中部、関西、四国、九州にかけての広い範囲で強い揺れと、 巨大な津波が発生します。

 最大規模の津波を想定した場合には、高さ 10m 以上の 巨大な津波が 13 都県にわたる広い範囲に襲来するという想定結果が公表され ています。

 この南海トラフの巨大地震は、西日本を中心にして、東日本大震災を超える 人や物への甚大な被害を発生させ、国民生活や経済活動に極めて深刻な影響 が生じると想定されています。

(15)

 

11

高層ビルの揺れの周期(秒)= 0.02 〜 0.03 ×高さ(m)程度と言われています。 この計算式によると、高さ 200m の高層ビルの揺れの周期は 4 〜 6 秒程度です。

高さ 60m(20 階建相当)の

ビルは、2秒周期の大きな揺れ

 地震の波に含まれる震動のうち、地面がゆったり長く揺 れる震動のことを長周期地震動と言います。揺れの繰返し 周期が約 2 秒から 20 秒程度の震動をさします。

 2011 年東北地方太平洋沖地震では、約 800km 離れた 大阪市咲洲の高層ビルにおいて、長周期地震動によるエレ ベータ被害が発生しています。

 長周期地震動による被害は、震源から遠く離れた大規模な平野や盆地でも 発生するのが特徴です。

 建物には、構造や高さにより、最も振動しやすい周期(固有周期)があります。 地震により、固有周期に近い震動が建物に加わると、共振が起こりやすくなり ます。長周期地震動の予測には、日本全国の深い地下構造をモデル化する必 要があります。OYO では、地質データなどをもとに 3 次元速度構造モデルを 構築して、長周期地震動のシミュレーションを行います。

高層ビル (大きく長い揺れ)

普通のビル (小さく短い揺れ)

大きな平野や盆地

(16)

 

12

出典:気象庁ホームページ「津波について」、「地震を知る」パンフレット

津波の高さ 高い

岬の先端に津波が集まるようす

「予想される津波の高さ」の

4倍もあり得る

 津波の高さは、海岸付近の地形によって変わります。津 波は海岸に打ち寄せるだけではなく、陸地や川を駆け上がる

(遡そじょう上する)こともあります。岬の先端やV字型の湾の奥な

どの特殊な地形の場所では、波が集中するので注意が必要 です。

 津波は海岸で反射を繰り返すことで何回も押し寄せたり、違う方向に進む複 数の波が重なって著しく高い波となったりすることがあります。このため、最 初に到達した波が一番高いとは限らず、後で来襲する波の方が高くなることも あります。海岸からできるだけ遠くに避難して時間がたっても津波警報等が出 ている間は戻ったりせず、さらに遠くて高いところに避難する心構えをしてお きましょう。

 津波情報で発表される「予想される津波の高さ」は海岸線での値であり、地 区内での平均的な値です。そのため、場所によっては予想より高くなることも あります。

 また、津波が内陸へ駆け上がる高さ(「遡そじょうこう上高」)は、場合によっては「予想

される津波の高さ」の 4 倍程度の高さになることが知られています(気象庁ホー ムページ参照)。そのため、津波高だけでは判断せずに避難行動することが重 要です。

津波の伝播

津波の発生

(17)

 

津波警報の種類と予想される津波の高さ

分 類

予想される津波の高さ

高さの区分 発表される津波の高さ 数値での発表 巨大地震の場合の発表

大津波警報

10m 〜 10m 超

巨大 5m 〜 10m 10m

3m 〜 5m 5m

津波警報 1m 〜 3m 3m 高い

津波注意報 0.2m 〜 1m 1m (表記しない) 参考:気象庁ホームページ リーフレット「津波警報が変わりました」

注意:巨大地震の場合は、数値での津波高さの発表はありません。

13

「大津波警報」や「津波警報」は

すぐ避難

 2011 年 12 月に津波防災地域づくりに関する法律(津波防 災地域づくり法)が制定されました。その中では、各都道府 県に津波ハザードマップ(津波浸水予測図)を作成すること を求めており、順次公表されています。

 また、市町村が津波ハザードマップを独自に作成している 例も数多くあります。国土交通省ハザードマップポータルサイトを調べて、ご自 宅や勤務先などの津波による危険度と避難先をチェックしてみましょう。津波浸 水予測は、あくまで津波によって浸水しやすいエリアの指標であり、より高い津 波がくる可能性もあることを頭に入れておくことが重要です。

 マグニチュード 8 を超えるような巨大地震の場合、地震発生後すぐには、地 震の正確な規模はわかりません。このため津波の高さも正確には予想できず、 発表される高さよりも大きな津波に襲われることもあります。

 大津波警報や津波警報が出たら、非常事態であることを認識し、すぐに避 難しましょう。震源が陸地に近いと、警報が津波の襲来に間に合わないことも ありますので、強い揺れや、弱くても長い揺れがあったら、すぐに避難を始め ましょう。

(18)

:特に液状化しやすい地形

山地

山麓

台地 丘陵

扇状地

旧沼地 旧池 後背湿地

自然堤防のきわ 旧河道

埋立地 三角州

干拓地

氾濫平野 氾濫平野

液状化しやすい地形

14

液状化のヒントは「地形」と「過去」

 液状化とは、地震により地盤が揺すられ、それまでしっか りしていた地盤が泥水のように軟らかくなってしまう現象です。  液状化は、ゆるく堆積した砂地で、地下水が浅い地盤で 発生します。

 このような条件を満たす場所は、埋立地や干拓地、旧河道 (昔、川だったところ)、自然堤防や砂丘のきわ、三角州など河川周辺や沿岸部 に多くあります。さらに、2011 年東北地方太平洋沖地震では、内陸部であっ ても昔、沼地や池だったところを埋め立てた場所などで液状化による被害が発 生しました。

 また、過去の地震で液状化した場所は、再び液状化する危険性があります。 そのため、地形や過去に液状化が起こった場所を知っておくことも、大変重要 です。

 「液状化ポテンシャルサウンディン グ(PDC:ピエゾドライブコーン)」 は地盤の硬さ(N 値)と地盤の種類 (砂か粘土か)を同時に知ることがで きる調査技術です。これにより、地 盤の液状化しやすさを簡単に評価す

(19)

液状化に伴う噴砂 (2016 年 熊本地震)

液状化によるマンホ−ル抜上り (2016 年 熊本地震)

15

公表されている「液状化の危険度」

 液状化が起こると、地盤中の砂が水と一緒に噴き出してく る噴砂や噴水が発生し、道路が沈下したり、段差ができる などの被害が生じます。

 さらに、液状化した地盤は建物を支える力が小さくなって しまうので、基礎がしっかりしていない家屋やビルなどの重 い構造物は沈下したり傾斜したりしてしまいます。

 また、液状化した地盤は泥水のようになるので、マンホールや下水管などの ように中が空洞で軽い構造物は浮き上がってしまいます。

 液状化による地域の危険度は、都道府県のホームページや3ページで紹介し た国土交通省ハザードマップポータルサイトで確認することができますので参 考にしてください。

 路面下探査車は、下水管など地中にある構造物や 地中にできた空洞の状況を調査することができます。 液状化によってできた空洞による道路の陥没対策やラ イフラインの維持管理に役立ちます。

(20)

 

16

火山噴火の影響は

広範囲・長期間

 火山が噴火すると、噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶 岩流、降灰、火山ガス、土石流や泥流、山体崩壊、津波が 発生し、火山周辺のみならず広範囲に大きな被害を与えま す。そして、噴火すると長期間に影響が及ぶことも特徴の一 つです。

 1792 年の雲仙岳噴火では、噴火後の強い地震によって 山体が崩壊し、土砂が海に流れ込み、津波により多くの方が犠牲になりました。 被害は、島原半島のみならず対岸の肥後・天草にもおよび「島原大変肥後迷惑」 として言い伝わっています。

 また、降灰は風に乗って広い範囲に広がり、火山から離れた地域でも交通 障害や農作物被害のほか、呼吸器・目などの健康被害を起こすことがあります。 1914 年の桜島噴火では降灰が仙台に達しました。

 国立研究開発法人 防災科学技術研究所では、アメリカ地質調査所が作成し た「降灰への備え 事前の準備・事後の備え」「火山灰の健康影響 地域住民 のためのしおり」の日本語訳版を配布しています。

(国立研究開発法人 防災科学技術研究所ホームページから入手可能)

※行方不明者含む 火山噴火災害の例

発生年 活火山名 噴火形態 災害形態 備考

1792 年 雲仙岳 マグマ噴火 溶岩・山体崩壊・津波 死者:約 15000 名※ 1888 年 磐梯山 水蒸気噴火 山体崩壊・火山泥流 死者:461 名 1914 年 桜島 マグマ噴火 溶岩・降灰・山体崩壊・津波 死者:58 名 1926 年 十勝岳 水蒸気噴火 融雪型火山泥流 死者:144 名※

1986 年 三原山 マグマ噴火 溶岩・噴石 島外避難

1991 年 雲仙普賢岳 マグマ噴火 火砕流・降灰・土石流 死者:43 名※ 2000 年 有珠山 マグマ水蒸気噴火 噴石・降灰・地盤変動 避難 2000 年 三宅島 マグマ水蒸気噴火 噴石・降灰・火山ガス 島外避難

2011 年 霧島新燃岳 マグマ噴火 噴石・降灰 避難

(21)

 

17

雌阿寒岳 アトサヌプリ

樽前山 倶多楽 北海道駒ヶ岳

岩手山 秋田駒ヶ岳 蔵王山 吾妻山

那須岳

浅間山 箱根山 伊豆東部火山群 伊豆大島 三宅島 富士山

阿蘇山鶴見岳・伽藍岳 霧島山(新燃岳、御鉢)

口永良部島 諏訪之瀬島 薩摩硫黄島 桜島

雲仙岳 九重山

御嶽山 焼岳

白山 草津白根山

日光白根山 新潟焼山

磐梯山

安達太良山 秋田焼山岩木山

有珠山

恵山 十勝岳

「噴火警戒レベル」導入、38 火山

 日本には 111 の活火山があります。このうち「火山防災の ために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として火山 噴火予知連絡会が選定した 50 火山は、常時観測火山と位 置づけられ、周辺自治体や国の機関、火山専門家などで構 成される「火山防災協議会」の設置が進められています。  火山防災協議会は、噴火警戒レベルの導入(2016 年 12 月現在、38 火山 で運用)や火山ハザードマップ、火山防災マップの作成を進めており、平時か ら住民や登山者等に対して、火山情報や対策の周知に努めています。

 噴火警戒レベルとは、「警戒が必要な範囲」と防災機関や住民等の「とるべ き防災対応」を5段階に区分した指標で、火山ごとに設定されています。

 各火山の噴火警戒レベルの内容は、現時点で発表されている噴火警戒レベル とともに、気象庁ホームページで見ることができます。

 気象庁は、地中深くに地盤の揺れなどを観測する計器(多機能型地震計)を 設置するなど、火山活動の監視強化を進めています。

種別 名称 対象範囲 (キーワード)レベル

特別 警報

噴火警戒 (居住地域)

又は 噴火警報

居住地域及び それより

火口側

レベル 5 (避難) レベル 4 (避難準備)

警報

噴火警戒 (火口周辺)

又は 火口周辺警報

火口から居住

地域近くまで (入山規制)レベル 3 火口周辺 (火口周辺規制)レベル 2

予報 噴火予報 火口内等 (平常)レベル 1 気象庁ホームページ「噴火警戒レベル」より作成

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空中物理探査装置 火山対策イメージ図

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 火山被害軽減のための対策には、構造物によるハード対 策と、観測情報によるソフト対策があります。

 火山災害から人の命を守るために、国や自治体によって 様々な防災・減災対策が行われています。構造物による対

策には導流堤、砂さ ぼ う防堰えんてい堤、遊砂池などがあり、これらはハー

ド対策と呼ばれています。しかし、噴火の規模によっては、ハード対策で全て の災害を防ぐには限界があります。

 そこで火山活動状況等を把握し、早い段階の警戒と避難ができるようなソフ ト対策を進めるために、監視カメラ、地震計、ワイヤーセンサーなどの観測機 器の設置が進められています。

 火山のように広範囲を調査する必要がある場合には、 ヘリコプターを用いた空中物理探査手法を利用すること があります。火山体の内部構造が探査で明らかになれば、 より効果的な対策の検討が進められます。

監視カメラ

監視カメラ 監視カメラ

導流堤

導流堤 地震計・雨量計

積雪計

スリットダム 砂防堰堤さ ぼ う えんてい 遊砂地

ワイヤーセンサー

警報機

防災無線

避難所

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大雨の被害は山にも川にも

 大雨や集中豪雨は、洪水や土砂災害を引き起こすことが あります。近年では、時間雨量 100mm 以上の局所的な集 中豪雨が全国で発生しています。

 豪雨による被害は、広島市安佐南区・安佐北区での土砂 災害(2014 年 8 月)や、関東・東北豪雨での鬼怒川の堤 防決壊(2015 年 9 月)、合わせて 4 つの台風が大きな被害をもたらした北 海道や岩手県での水害(2016 年 8 月)など、毎年のように発生しています。 2017 年 7 月の九州北部豪雨では、朝倉市付近で 24 時間降水量約 1,000mm を記録するなど、「線状降水帯」によって同じ地域に強い雨が長時間降続き、 福岡県と大分県で河川の氾濫や土

石流が発生しました。

 都市部でも、道路の舗装により 雨水が地面に浸透しにくいため、 低い土地や地下街が浸水する、内 水氾濫が発生します。2013 年 8 月 23 日から 25 日にかけての大雨 では、大阪梅田の繁華街が浸水被 害を受けました。

雨量の強さを示す表

※「強い雨」や「激しい雨」以上の雨が降ると予想される時は、大雨注意報や大雨警報が発表されます。 ※表はこの強さの雨が1時間降り続いたと仮定した場合の目安を示しています。

1 時間雨量 予報用語 人の受けるイメージ

1mm/h 未満 小雨 地面がかすかに湿る。傘なしでもレインコートで間にあう。 1mm/h 以上 

 3mm/h 未満 弱い雨 シトシト降る。地面がすっかり湿る。 3mm/h 以上 

 10mm/h 未満 雨 本降り。地面に所々水たまりができる。 10mm/h 以上 

 20mm/h 未満 やや強い雨 ザーザーと降る。地面に所々水たまりができる。 20mm/h 以上 

 30mm/h 未満 強い雨 どしゃ降り。傘をさしていてもぬれる。 30mm/h 以上 

 50mm/h 未満 激しい雨 バケツをひっくり返したように降る。 50mm/h 以上 

 80mm/h 未満 激しい雨非常に 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)。 80mm/h 以上 猛烈な雨 息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感じる。

写真:毎日新聞社/アフロ

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年間約1000 件も発生、

土砂災害

 土砂災害には、 土石流、地すべり、がけ崩れ(急傾斜地の 崩壊)などがあり、台風や大雨、地震などによって、土砂や 大きな石が移動することにより発生します。

 日本では、近年、平均して毎年 1,000 件を超える土砂災 害が発生しています。自然災害による死者・行方不明者のう ち土砂災害によるものは全体の約 4 割を占めており、一度発生すると一瞬にし て多くの人命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。

 土砂災害が発生するおそれのある土砂災害危険箇所は日本全国で約 53 万 箇所を数えます。傾斜が急な山が多く、地質が複雑で、台風や大雨、地震が 多い日本では、土砂災害が発生しやすい環境になっています。

 国や都道府県により、土砂災害による被害を防ぐため、砂さ ぼ う防堰えんてい堤などの施

設整備や、土砂災害防止法による土砂災害警戒区域等の指定や土砂災害警戒 情報の発表といった警戒避難体制の整備が行われています。

 2014 年 8 月の広島市の土砂災害は、死者 74 名の大災害となりました。こ の甚大な被害の発生を受けて、「土砂災害防止法」が改正され、「土砂災害警 戒避難ガイドライン」も改訂されました。土砂災害から身を守るためには、土

砂災害の影響範囲や避難路・避難場所を日頃から確認しておく「日頃の備え」と、

異変を感じた時の「早めの避難」が大切です。安全な避難と早期回復のために、 災害時の防災行動計画「タイムライン」の作成が進められています。

※国土交通省砂防課ホームページをもとに作成 近年の土砂災害発生件数

土石流 地すべり

がけ崩れ 死者・行方不明者数

2000

483 1057

675 452 803 767 781

505 590 769

1040

599 173 215 162

89 106 127 222

76 89 7744 53 158 169 129 154 149 234

419

256 262 338 399 145 90 50 70 30 10 80 40 60 20 0

件数 人数

1500 500 250 750 1750 1000 1250 0

2016 年 2008 年

2006 年 2010 年 2012 年

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 天気予報や土砂災害警戒 情報、避難情報などに注意 をし、早目に避難すること が必要です。

 土石流は、谷や山の斜面 から崩れた土や石、流木などが、梅雨の長雨 や台風の大雨などによる水と一緒になって、 一気に流れ出てくる現象です。

 その速さは、時速 20 〜 40km 以上に達し、強い力で人の命や家などの財 産を奪い、道路や鉄道などの交通網にも大きな被害をもたらします。

<前兆現象>

• 山鳴りや立ち木の裂ける音が聞こえる。 • 石のぶつかり合う音が聞こえる。 • 雨が降り続いているのに、川の水位が 下がる。

•川の水が急に濁ったり、流木が流れてくる。 • 泥臭いにおいが漂う。

 上記のような前兆現象に気づいたら、周囲の人にも知らせ、急いで安全な 場所に避難しましょう。土石流被害想定区域においては、通常の木造家屋の 2 階以上に移動しても、土石流によって家屋が倒壊する可能性があります。  しかし、夜間や雨が非常に激しいなど、外に出ることが危険な時は、建物 の2階以上に移動する垂直避難も考えましょう。

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土石流、いざとなったら垂直避難

 土石流対策には、流れ出た土砂を捕捉する砂さ ぼ う防堰えんてい堤を設置する方法が一般

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< 前兆現象>

• 山腹や地面にひび割れができる。 • 山腹や地面に段差ができる。 • 沢や井戸の水が濁る。

• 斜面や地面から水が吹き出す。 • 建物や電柱、樹木が傾く。

• 井戸や池の水かさが急激に変わる。

 上記のような前兆現象に気づいたら、周囲の人にも知らせ、急いで安全な場 所に避難しましょう。

地すべり、声かけあって避難

 地すべり対策には、地表水や地下水を抜き、動きにくくする方法や、地面に 杭やアンカーを打ち込み土塊を止める方法が一般的です。

 また、すべり出す前の小さな動きを監視することにより、その時期を予測し て避難や道路の通行止めの判断に利用しています。

 山腹や周囲の構造物の様 子に注意し、急激な変化が あれば、急いで避難するこ とが必要です。

 地すべりは、ゆるやかな 斜面の粘土のような滑りやすい地層に雨水な どがしみ込み、その影響で地面が動きだす 現象です。広い範囲にわたって起こるのが特

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<前兆現象>

• がけから水が吹き出す。 • がけからの水が濁る。 • がけに亀裂が入る。

• 小石がパラパラと落ちてくる。 • がけから音がする。

 上記のような前兆現象に気づいたら、周囲の人にも知らせ、急いで安全な場 所に避難しましょう。避難所への避難が困難な時は、近くの頑丈な建物の 2 階以上に避難したり、それも難しい場合は、家の中のがけから離れた部屋や 2 階などの少しでも安全な場所に移動し、命を守る行動を心掛けましょう。

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がけ崩れ、早目に避難

 がけ崩れ対策には、斜面を崩れにくくするため、コンクリートを吹きつけたり、 枠で支える方法や崩壊した土砂を捕捉する防護柵による方法などがとられてい ます。また、崩壊の前兆をとらえるために落石センサーを設置し、監視するこ ともあります。

 がけ崩れは、斜 面の 地 表に近い部分が、雨水の浸 透や地震などの影響でゆる み、突然、崩れ落ちる現象 で、近 年では毎年 500 件 以上発生しています。したがって、天気予報 や土砂災害警戒情報、避難情報などに注意を し、早目に避難することが必要です。

 崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れが発生し、 人命を奪うことが多いのが特徴です。

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岩盤 表層土

深層崩壊 表層崩壊

深層の岩盤まで崩壊「深層崩壊」

 深層崩壊とは、山崩れ ・ がけ崩れなどの斜面崩壊のうち、 表面だけでなく深層の岩盤までもが崩壊する現象のこと です。

 これに対して厚さ 0.5 〜 2.0m 程度の表層土が、表層土 と岩盤の境界に沿ってすべり落ちる規模の崩壊を、表層崩 壊といいます。

 土石流・がけ崩れ・地すべりなどは、斜面崩壊を「崩壊のしかた」で分けた ときの分類ですが、深層・表層崩壊は「崩壊の深さ」で分けた分類です。  深層崩壊は、降雨、融雪、地震などが原因で発生し、2009 年台風 8 号が もたらした集中豪雨による台湾小林村の災害のように直接家屋を押し潰した り、1997 年 7 月の鹿児島県出水市針原川の災害のように土石流となったりし ます。 また、2011 年 9 月の紀伊半島の災害のように川をせき止めることがあ り、万一決壊するとより大きな災害となる場合があります。

 国土交通省では、地質や地形、深層崩壊の発生場所に着目して調査を進め、 深層崩壊に関する全国マップ(深層崩壊推定頻度マップや深層崩壊跡地密度 マップ、深層崩壊渓流レベル評価マップ)を作成しています。

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公表されている

「洪水ハザードマップ」

 豪雨に備えて特に気をつけたほうがよい情報を、「洪水ハ ザードマップ」と「浸水ナビ(地点別浸水シミュレーション検 索システム)」から入手できます。

 洪水ハザードマップは、浸水した場合に想定される水深図 (浸水想定区域図)と、洪水予報の伝達方法、避難場所を示 したマップです。国と都道府県・市町村は、洪水時の早い避難と、水害による 被害の軽減のために、洪水ハザードマップを公表しています。

 一方、浸水ナビは豪雨時に河川の堤防が決壊(破堤)した場合、どのくらい 浸水するのか、何時間で浸水が始まるのか、何日で水が引くのかをアニメーショ ンやグラフなどで示しています。

 国土交通省では、全国各地の一級河川について、想定される最大規模の洪 水ハザードマップを作成し、浸水ナビを随時更新しています。お住いの地域の 洪水に対する危険度をチェックしたり、日頃から被害を最小限にするよう取り 組んだりすることが大切です。

 2015 年 9 月関東・東北豪雨では、茨城県常総市の鬼怒川堤防の決壊など、 広範な地域が冠水の被害に見舞われました。

 全国で想定最大規模の洪水ハザードマップの作成が進められていますので、 お住いの地域や、となりの市区町村のマップを確認しておきましょう。

出典:国土地理院 浸水ナビ・ホームページ

浸水ランク

浸水ランク(旧式) 0.0m 〜 0.5m 未満 0.5m 〜 3.0m 未満 3.0m 〜 5.0m 未満 5.0m 〜 10.0m 未満 10.0m 〜 20.0m 未満 20.0m 以上

0.0m 〜 0.5m 未満 0.5m 〜 3.0m 未満 3.0m 〜 5.0m 未満 5.0m 以上 検索可能範囲

浸水想定範囲

最大浸水領域 地図記号

破堤点 最大浸水をも たらす破堤点 選択破堤点 水位観測所 指定地点

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「タイムライン(防災行動計画)」を

作って地域の災害対応力を向上

 自然災害による被害を軽減するためには、堤防等のイン フラ整備や防災まちづくりが大切ですが、2012 年 7 月九州 北部豪雨での矢部川の決壊や、2015 年 9 月関東・東北豪 雨での鬼怒川の決壊のように施設整備だけでは防ぎきれな い災害は発生します。

 国や自治体、交通機関など防災関係機関が「いつ」「誰が」「何をするか」を 事前に整理するタイムライン(防災行動計画)作りが進められています。大雨 や洪水の警報等、あるいは河川の氾濫や土壌の雨量に関する情報を基に関係 者が取るべき行動を時系列に整理しています。

 このタイムライン作りの動きは、自助・共助の観点から、地域や企業、個人 一人ひとりにも広がっています。

 タイムラインの作成には、関係する防災機関だけでなく、企業や自主防災組 織、住民等が連携すること、また作成した後も情報を共有し、訓練などを実施 していくことが大切です。

出典:国土交通省水災害に関する防災・減災対策本部防災行動計画ワーキング・グループ  「タイムライン(防災行動計画)策定・活用指針 ( 初版 )」(2016 年 8 月)

タイムラインのイメージ 国土交通省

○台風予報 台風上陸

3 日前 台風発生

体制の

早期構築 運行停止の可能性を早めに周知 広域避難の可能性を早めに周知

早期に 広域避難を開始

台風上陸前に 避難を完了

早期復旧・再開が可能 となるように運行停止 台風上陸

の可能性

災害発生 の危険性

台風接近

台風上陸 台風上陸

1 日前

台風上陸 12 時間前

0 時間前

○台風に関する記者会見

○はん濫危険情報

○はん濫発生情報 ○はん濫警戒情報 ○台風に関する記者会見 (特別警報発表の可能性)

○連絡体制等の確認

○協力機関の体制確認 ○交通サービス 運行停止予告 ○広域避難体制の 確認・周知 ○防災用品の準備

○広域避難の開始

○屋内安全確保 ○広域避難勧告・指示

○広域避難者の誘導・  受入

○避難勧告・指示

○支援の要請 ○運行停止手順の

 確認・公表

○運行停止 ○施設保全・退避終了

○被害状況の把握 ○施設点検 ○運行見通しの  公表 ○市町村長へ事態切迫  状態の伝達

○TEC-FORCE 活動  (道路啓開等) ○リエゾンの派遣

○所管施設の巡視

○被害状況の把握 ○緊急輸送路の確保 ○大雨・暴風・高潮等

 特別警報 ○大雨・洪水等警報

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川の水位が堤防を

越えることもある

 川の水位が堤防を越えることもありますので、避難情報に 注意して、適切な行動をとることが重要です。

 河川には水位に応じて 5 段階の危険度レベルが定められ ています。

 自分の街の雨が上がっても上流で降った雨で川の水位がさ らに上昇することがあります。

 また、堤防は長い年月をかけて大量の土を盛り立てて造ったものです。堤防 を頑丈にする対策も進められていますが、経験の無いような大雨や越流、地 震などによって崩れることもあります。

 このため、防災情報に注意を払い、身を守るために必要な備えと準備をして おきましょう。

 堤防は性質の異なるいろいろな土が使われており、安全性を高めるには内部 を知ることが重要です。「表面波探査」や「電気探査」といった物理探査技術 も活用して調べることができます。

※1: 気象庁ホームページ 「指定河川洪水予報の解説」を

もとに作成

※2: 指定河川洪水予報は、国土交 通省と都道府県が気象庁と共 同して実施する洪水予報です。 水位危険度

レベル 水位の名称等 レベル 5 はん濫の発生

レベル 4 はん濫危険水位

レベル3 避難判断水位

レベル2 はん濫注意水位

レベル1 水防団待機水位

堤防の決壊による浸水被害 (2015 年 関東・東北豪雨)

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台風による高潮の発生

台風接近で海面上昇「高潮」

 1959 年伊勢湾台風では大きな高潮被害が発生しました。 2004 年台風 16 号では瀬戸内海沿岸各地で被害が発生し ました。大潮の時期の満潮時間と重なり、被害が大きくな りました。

吹き寄せ効果

台風や低気圧

吸い上げ効果

※気象庁ホームページ「高潮」をもとに作成

 台風が近づいたり、通過する時に、海の潮位(海面)が大 きく上昇することがあります。これを高潮といいます。高潮 は台風による吸い上げ効果と吹き寄せ効果が原因で起こる とされています。

・ 吸い上げ効果:台風の中心付近は、周囲よりも気圧が低い ため、海水を吸い上げるようになって海面が上昇します。大気圧が1hPa下が ると、潮位は約1センチメートル上昇すると言われています。

・ 吹き寄せ効果:台風による強い風が海岸に向かって吹くと、海水は海岸に吹 き寄せられて海面が上昇します。遠浅の海や、風の来る方向に開いている湾 では、そうした地形により海面の上昇が起こりやすくなります。

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幹内部の腐朽が進むと倒木しやすく なる

倒木災害

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幹や根が弱っている街路樹は

倒木の危険

 街路樹は景観にうるおいをもたらすだけではなく、火災発 生時の防火防熱による延焼防止機能や、地震発生時の建物 倒壊から歩行者を保護する機能など、災害時の被害拡大を 抑止することに大きな役割を果たしています。また、夏場に は強い日差しを遮ることで路面温度の上昇を抑制し、市街 地の環境を快適に保っています。

 一方、街路樹のうち根の張りが狭く浅い木や、幹の内部が腐っている木は、 倒木の危険性があり、近年もこれらに関連した事故が発生しています。このた め定期的な点検を行い、適切に維持・管理していくことが防災面において大変 重要です。

 樹木測定用の「樹木診断用レーダ装置」を用いて、樹木の健康診断を行うこ とができます。樹木の幹の内部にある空洞や、根の分布を調べることにより、 強風の際に、倒木の危険性が高い樹木かを調べることができます。

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スーパーセルの模式図 メソサイクロン

冷たい空気

暖かく湿った空気

竜巻が

発生しやすい箇所 積乱雲の移動方向

豪雨とダウンバースト

発達した積乱雲の

上昇気流で発生「竜巻」

 竜巻は、発達した積乱雲の強い上昇気流により発生する、 漏斗状や柱状の雲を伴う激しい渦巻きです。日本での竜巻 の発生は、海上部や沿岸部、広い平野部で多く、大気が不 安定になる夏や秋の午後に多くなっています。

 最近の大きな竜巻被害としては、つくば市(2012 年 5 月)、 越谷市(2013 年 9 月)の被害があります。この竜巻は「スーパーセル」と呼 ばれる発達した巨大な積乱雲により発生しました。「スーパーセル」内には「メ ソサイクロン」と呼ばれる風向きが反時計回りの小さな低気圧が存在したとさ れます。積乱雲による突風では、ダウンバーストと呼ばれるものもあります。

 竜巻の観測には、気象庁のドップラーレーダー、防災 科学技術研究所や国土交通省 X バンド MP レーダーが 活躍します。気象庁はホームページで「竜巻注意情報」や 「竜巻発生確度ナウキャスト」 を提供しています。

※気象庁ホームページ「竜巻などの激しい突風とは」をもとに作成

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発生時期や発生条件の異なる

「雪崩」の種類

 日本は、国土の半分以上が豪雪地帯に指定されており、 約 2,000 万人もの人々が豪雪地帯に暮らしています。雪崩 や除雪作業中の事故、運転中や歩行中の雪道での接触事故 など、地域住民だけでなく、冬山登山やスキー、観光など で豪雪地帯を訪れる人々も被害にあっています。なかでも、 1 〜 3 月を中心に発生する雪崩災害では、死者・行方不明者を伴う被害も起 きています。

 雪崩には、厳冬期に多く発生する表層雪崩と、春先に多く発生する全層雪

崩があります。前兆現象として、雪せ っ ぴ庇、巻だれ、スノーボール、クラックなど

があり、それら対しては注意が必要です。

 集落を対象とした雪崩危険箇所(人家 5 戸以上)は、全国に 2 万箇所以上 もあり、雪崩対策事業が行われています。

 2017 年 3 月に発生した那須雪崩事故の教訓を踏まえて、雪山に行く際には、 事前に雪山の危険性に対する知識や気象情報の入手、発生に備えた緊急連絡 先や危機管理体制を整えておくことが大切です。

表層雪崩と全層雪崩の違い ※国土交通省ホームページをもとに作成

種別 表層雪崩 全層雪崩

概要

古い積雪面に降り積もった新雪が滑り

落ちる 斜面の固くて重たい雪が、地表面の上を流れるように滑り落ちる 主な発生時期 低気温で降雪が続く1 〜 2 月の厳寒期 気温が上昇する春先の融雪期

速度 時速 100 〜 200km(新幹線並み) 時速 40 〜 80km(自動車並み)

発生しやすい 条件

・ 気温が低く、かなりの積雪の上に、 短時間に多量の降雪があったとき ・急傾斜で・・・⇒そのまま ・氷点下が続き、吹雪や強風のとき

・ 過去に雪崩が発生した斜面など ・ 春先や降雨後、フェーン現象などによる

気温上昇時

・ 斜面に積雪の亀裂ができている場所など すべり面

新雪 積雪

すべり面 新雪

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「地震時等に著しく危険な密集市街地」の区域図例(左:東京都、右:大阪府) 出典:国土交通省ホームページ

延焼シミュレーションの事例

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「密集市街地」が抱える

火災の危険性

 延焼シミュレーションによって、市街地の建 物や道路、消火活動の状況を考慮した、火災の 燃え広がり方や範囲を予測することができます。 地域の火災危険度の評価や消防車や水利の適正 配置の検討に利用されています。

 日本には地震防災対策上多くの課題を抱える密集市街地 が全国各地に存在します。1995 年阪神・淡路大震災では、 同時多発火災が発生し、建物の倒壊による道路閉塞や断水 が原因で、十分な消火活動を行うことができないまま広い 範囲が焼失しました。国土交通省では、こうした密集市街 地を「地震時等に著しく危険な密集市街地」と定義して、2020 年度までに概 ね解消する目標を立てており、全国の市区町村に対して調査を実施し、公表し ています。

大阪府 東京都

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糸魚川大火の延焼の様子

強風時、飛び火が広げる

延焼範囲

 2016 年 12 月 22 日、糸魚川市で発生した火災は、強い 南風にあおられて瞬く間に広がり、数時間後には 300m ほ ど離れた海の近くまで燃え広がりました。

 焼失範囲を広げた大きな要因は、3 つ指摘されています。 ひとつは、古い飲食店や木造住宅が軒を連ねる、火災が広 がりやすい市街地であったことです。二つ目は、強風にのって火の粉が運ばれ、 同時多発的に約 10 箇所で飛び火による出火が発生したことです。3 つ目は、 飛び火による出火に地元の消防だけでは対応しきれなかったことがあります。  一方で、火災に強い壁材や網入りガラスを使って建てられた住宅が、焼失を 免れた事例もあります。また、迅速な避難により死者を出すことはありません でした。

 糸魚川市は、国が選ぶ著し く危険な密集市街地には含ま れていません。それでも、広い 範囲が焼失しました。糸魚川市 と似た都市構造や自然条件を 備えた地域は日本各地にありま す。延焼火災による被害を軽 減するためには、行政が進める 対策だけでなく、火災に強い家 づくりや地域での自主防災の取 組みが大切です。

 地方自治体の中には、地域 の火災に関する危険度を公開し ているところもありますので、 お住いの地域の火災の危険度

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環 自然由来のヒ素の分布図

出典:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 海と陸の地球化学図ホームページ

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自然由来の重金属、

適切な扱いで問題なし

 工事現場で発生した掘削土に基準値以上の有害物質が含まれていないかを 現場で迅速に分析し、土壌・地下水汚染の未然防止と工事の円滑な実施を図 るためのシステムが構築されています。

 身の周りの自然環境にも有害な物質が存在することがあ ります。日本の大地には火山の恩恵として豊富なミネラル分 が含まれ、農業に適した良質な土壌や飲用に適したおいし い水がもたらされています。

 しかし、その一方で鉱物資源でもあるヒ素・鉛・水銀のよ うに有害物質となる重金属類も含まれています。重金属は鉄より重い金属で、 工業的に多く使われる一方、人体に蓄積されると重度の障害を引き起こします。 その多くは環境基準を下回るものですが、このような

重金属類を多く含む土壌や岩石は、不適切な取り扱 いをすると環境に悪影響を及ぼすことがあります。  トンネル工事などの際に、地下深部から掘り出し た岩石や土壌を放置すると重金属類が溶け出す 場合があることが分かっています。このため、工 事の計画段階から重金属リスクへの対応を検 討し、周辺環境が汚染されることのないよう、 必要な対策が講じられています。

凡例 ( 単位:ppm=mg/kg)

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災害廃棄物の仮置場

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 東日本大震災による倒壊家屋やがれき(災害廃棄物)は、 震災発生から 3 年経過した 2014 年 3 月までに、ほとんど の被災自治体において廃棄物処理が完了しています。  東日本大震災では膨大な量の災害廃棄物が発生し、岩手 県沿岸部では県内の年間一般廃棄物総排出量の約 9 年分、 宮城県沿岸部では約 14 年分にも達していました。

 被災後、仮置き場の整備が進められ、そこに仮置きした廃棄物のうち再生 可能なものの再生利用が推進されたことで、災害廃棄物(倒壊家屋やがれき) の 87%、津波堆積物(津波がもたらした土砂や泥)の 99%が再生利用されま した。

 東日本大震災を教訓に今後の災害に備え、発生した災害廃棄物が迅速に処 理できるよう、全国の地方公共団体において、発生量の推定や処理可能量の 試算、また対処方法を検討し、災害廃棄物処理計画の策定が進められています。

災害廃棄物の 87% が再利用

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おわりに

 近年、私たちの生命を脅かすような災害が数多く発生しています。

 こうした災害による被害を最小限にしていくためには、私たちひとり

ひとりが災害のメカニズムを正しく理解して、日頃から防災や減災への

心構えや備えをススメていくことが大切です。

 こうして、災害への正しい理解を深めることにより、実際の災害の時

にも、過度の不安から混乱に陥ることなく、想定外の事態にも対処す

ることができるようになるでしょう。

 防災、減災をススメることは、自然がもたらす恵みを最大化すること

につながり、地域の活力を継続的に高めていく礎になるものと考えます。

 OYOグループは、災害リスクの情報収集・整理から、シミュレーショ

ン(予測解析)、耐震診断、被害想定、リスク評価とリスク低減策の検

討まで、ワンストップによるリスク対策のトータルソリューションを提供

します。災害リスクについての情報提供やアドバイザリー契約も行って

おり、防災・減災についての研修の講師派遣も行っています。

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